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病床削減11万床の方針に思う:在宅医療の責任と可能性

[2025.05.31]

先日、政府が「2027年度までに全国の病床を約11万床削減する」という方針を発表しました。医療費の増加が続く中、財政の持続性や医療資源の再分配を目的とした施策ですが、その一方で、医療現場には大きな変化が求められることになります。

病床の削減は、単に「ベッドが減る」というだけの話ではありません。それは、病院という場での療養や看取りが難しくなり、地域や家庭が新たな療養の場として重要性を増すことを意味します。つまり、今後ますます「自宅で過ごす医療」の需要が高まっていくのです。

私たち在宅クリニックにとって、この流れは避けられない変化であり、同時に大きな責任を伴うものです。病院から退院を求められた方、ご家族と最期の時間を過ごしたいと願う方、慢性疾患やがんの進行と共にご自宅で療養を続ける方――そうした患者さん一人ひとりに寄り添い、24時間365日対応する在宅医療の体制づくりが急務です。

とはいえ、在宅医療の現場はまだ十分とは言えません。医師・看護師の人材不足、地域格差、介護との連携の難しさなど、課題は山積しています。病床削減が医療の空白を生み出すことのないよう、国の制度設計と現場の現実とがきちんと噛み合うことを切に願います。

私たちは、「もう病院に行けないから仕方なく家で看る」のではなく、「自宅でも安心して療養できるから、ここで過ごしたい」と思ってもらえるような医療を届けていきたいと考えています。

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